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さまつりっぷ

東北ドライブ① 湯田川温泉

去る10月11日(日)から13日(火)、休みを取ってちょっと東北をドライブしてきました。 

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湯田川からの鳥海山

事の発端は、NEXCO東日本がGoToトラベル対応の周遊パスを発売したと聞いたことでした。

ちょうど久しぶりにドライブしたいなと思っていたので渡りに船と、温泉とご飯を目当てに出かけてきた次第です。

天気は生憎といった感じでしたが、いいお湯につかって、おいしいご飯を食べてきました。

 1日目:鶴岡の湯田川温泉

 2日目:岩手県雫石町の鴬宿温泉

こちらの2つに泊ってきました。道中の写真を紹介したいと思います。

 

この記事では1日目の湯田川温泉についてです。

 

鶴岡・湯田川温泉

初日は鶴岡市湯田川温泉です。

どこに行こうかとグーグルマップを眺めているときに、湯田川病院という文字が目に飛び込んできて、温泉っぽい名前だなと思ったのがきっかけです。

調べてみると、NEXCO東日本のGoTo対象宿も何軒かあり、どの宿も源泉かけ流しを売りにしているとのことで、これも何かの縁だなと行くことにしました。

結論からいえば、とても良い温泉街でした。

一発でファンになっちゃいました。

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温泉街入り口には大きな提灯

落ちついた雰囲気のまちで、子どもたちが多く、公園で遊んでいる姿も見られました。うるさくはない、けれど決して寂しいわけでもない、肩の力がふっと抜ける温泉街です。

お世話になったのは、表通りに面したこちらの「理太夫旅館」さん。

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予約は直接電話でした

明るくて気さくな女将さん、おいしい料理、よく温まるかけ流しのお風呂と三拍子揃った素敵なお宿でした。

部屋に風呂・トイレもないし古くて・・・なんて女将さんは謙遜されてましたが、隅々まで手入れが行き届いていて、気になるようなことはありませんでした。むしろ、そこが魅力になっています。

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3階の部屋。なんと二間

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階段のきしむ音も心地よいです

神様のお湯

夕飯まで時間が少しあったので、外に出ます。

太夫旅館の向かいには、共同浴場「正面湯」があります。

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正面湯

この正面とは、「油豆佐売(ゆずさめ)神社」の正面ということのようです。実際、神社からまっすぐ来られます。

地元のおっちゃんたちの会話の中では、ごく普通に「神の湯」と呼ばれていました。(イントネーションは「紙」と同じ)

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参道から

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神様のお湯らしく紙垂が下がっています

ちなみに、こちらの正面湯、入り口にはALSOKの電子錠がかかっています。

住民は各自で鍵を持っており、日帰り入浴客は近くの商店で料金を払い、開けて貰うシステムのようです。

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電子キーを借りられます

宿泊客は旅館の持つ鍵を借りられるとのことですが、現在は自粛中とのことです。

ただ、翌朝に相談してみたところ、貸して貰い入ることができました。

GoToキャンペーンも始まって徐々に緩和している中で、やり方も模索中なのかもしれません。

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酒屋さん ぱろす湯田川

さて、散策していると酒屋を見つけました。

余りにも雰囲気がいい。

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購入した地ビール

夜のお供も見つかったので旅館に帰ります。

夕食です。

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元は客室でしょうか

この日の客は私だけということもあってか、8畳程の部屋に通されました。

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ワンドリンクサービスでビールを貰います

どれもおいしかったのですが、特に焼き魚が良かったですね。

追加でおすすめの地酒を頼んだところ、三種類をそれぞれ試飲させてくれ、その中からこちらを選びました。

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残量わずかにつき、瓶ごといただきました

辛口ながら、コクというかスモーキーさというか・・・独特な味が食事に良く合うなと思いました。

出羽の雪で有名な酒蔵のお酒のようですが、地元でしか見られない珍しいもののようでした。検索してもよくわかりません。ラベル撮っておくんだったなあ・・・

 

さて、お風呂になるわけですが、 湯田川の温泉は大変良いです。

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円形の浴槽

澄み切ったお湯があふれ出ています。

温度は高いわけではないんですが非常によく温まるお湯で、上がってからもホカホカしているのがわかるほどでした。

ちなみに、奥の扉は隣の「大國屋旅館」に続くもので、こちらの浴室を共有しているそうです。

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写真ピンぼけでしたが、説明書き

また、貸し切りのお風呂もありました。当然源泉かけ流しです。

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男湯の正面にあります

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貸し切り風呂浴室

案内にもあるとおり、ややぬるめのお湯で、のんびり入っていられます。

他の客がいないのをいいことに、両方のお風呂に入ることそれぞれ合わせて5回。翌朝は秋田に向けて出発の予定でしたが、もう1日ここでゆっくりしたいなあ・・・などと考えていました。

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湯田川の夜

通りを見ていると、正面湯に人が出たり入ったり・・・本当に地域に根ざした温泉なんだなと実感します。

正面湯は23時間開いてるとのこと。

こんなにいい温泉が身近にあって、いつでも入れて当然だなんて、羨ましい限りです。

油豆佐売神社

翌朝は油豆佐売神社へお参りです。

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小高い丘へと階段が続きます

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たそがれ清兵衛のロケ地にもなったとか

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日が届かず境内は薄暗い

石畳は苔むして、木々は高く、視線の先には黒く拝殿が見えました。

神さびた雰囲気です。

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境内からの参道の眺め

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石段を照らす朝日

石段を上っていると、隣のお寺からトントントン・・・と太鼓の音が聞こえてきました。

時刻は7時頃、朝のお勤めでしょうか。お寺でも神社で叩くような太鼓を使うことがあるんですね。

思わず立ち止まって聞き入ってしまいました。

こういう忘れられない瞬間というのは旅の醍醐味ですね。

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参道石段の脇に鎮座する大イチョウ

拝殿の手前に、とんでもなく大きいイチョウがありました。

写真にもあるとおり、垂れた枝(?)の姿から乳イチョウと呼ばれているようです。

さすがに山形県の天然記念物になるだけあって、カメラでは全容を捉えきれません。説明板の「しかし、雄株であって実はならない」の下りがユーモアあって好きです。

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屋根が特徴的な拝殿

著名な神社のように綺麗に整備されているわけではありませんが、かえって背筋が伸びる雰囲気です。

地域で大切にされている神社を見ると、それだけで嬉しくなりますね。4月末から5月頭にかけてお祭りがあるようですので、是非1度は見てみたいなあ。

朝食と出発

お参りを済ませ、ちょっと散歩して戻って朝ご飯です。

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夕食と同じ部屋でした

お重の中はこんな感じ。

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煮物がおいしい

朝食を食べたら、上でもご紹介した共同浴場へ入りに行きました。

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電子キーを借ります

石けん・シャンプーはもちろん、桶も無いからと旅館で貸して貰いました。

日帰り入浴のハードルは中々高そうです。

入ってみると誰もいなかったので、共同浴場内の写真も撮れました。

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シンプルな作り

改めて見てもかなりの湯量ですね。

源泉自体は理太夫旅館のものと同じだと思うのですが、こちらの方が若干熱めに感じました。サッと入るのに丁度良さそうです。

それにしても共同浴場は気持ちがいいですね。窓の向こうをボーッと眺めているだけで時が過ぎていきます。

正面湯から戻ったら少し休憩、名残は尽きませんが、出発の時間になりました。

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部屋の鍵。にんじんのオブジェつき

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太夫旅館 館内

改めて、本当にいい宿に泊ったなと思います。
まるで自分がこの町の住人になったかのような気持ちを抱かせてくれる、親しみの持てる旅館でした。

検索にも余り上の方には出なくて、ただ地元や近隣の方が温泉に入りに逗留してくれてると女将さんから聞きました。地元の人に愛される宿というのはこういうものなんですね。

私も是非またお世話になりたい。

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参道を通って駐車場まで

湯田川温泉、今回は途中の宿泊地点として泊ったのですが、思った以上に良い温泉街でした。

湯田川の四季の表情を見てみたいですし、その時のご飯も食べてみたいものです。

絶対また行きます。

 

さて、2日目は曇天の鳥海山を眺めながら北上、秋田を抜けて岩手・雫石町鶯宿温泉を目指します。

それでは、お読みくださりありがとうございました。